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基礎知識・コラム

2019/08/28

FIT抜本的見直しの進捗について

基礎知識

先日、太陽光投資業界で話題となったFITの抜本的見直しについて少し進捗があったようですのでまとめさせていただきました。

 

経済産業省は今年の8月5日に、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会を開催し、そこで今年4月から議論してきた2020年度末のFIT(固定価格買取制度)の抜本的な見直しについて中間整理案を公表いたしました。

その中で発電側基本料金に関しては、「原則、調達価格の算定において制度上、追加的な利潤配慮がなされていないものについては、発電側基本料金による追加コストと同水準を調整する措置を置くことを検討する」という内容の記載がありました。

これにより、2015年7月以降に認定を受けた物件(買取価格27円/kWh以下の物件)は調整措置によって実質的に負担しなくていいことが確実になりました。ですが、利潤配慮期間である2015年6月までに認定を受けた物件(40円、36円、32円、29円/kWhの物件)は調製措置を取らないという意向が強くなっている事がうかがえます。

 

○そもそも発電側基本料金とは?

これは最大出力(kW)に応じて、発電事業者に課金する仕組みを言います。電力需要が減少していく一方で全国的に分散電源が増加していくなか、系統への新規投資を円滑に進める目的で検討しているようです。

今回の制度変更では「発電基本料金」とあわせて工事負担金の在り方も見直すといわれております。太陽光の場合、一般負担の上限は1.5万円/kWだったのですが、これを4.5万円/kWに引き上げることによって太陽光接続時の系統工事費用における一般負担の割合が増え、太陽光発電事業者の支払う工事負担金が減るケースが出てきます。つまりは制度が変わると、初期投資額は減るが毎年「発電側基本料金」が課されてしまうという事になります。

すでに稼働している再エネに「発電側基本料金」が課せられてしまう場合は初期投資の減少という恩恵を受ける事なく運用コストだけが上がってしまいます。さらにFITで導入された再エネの設備であった場合、買い取り期間中は固定価格で買取される為「発電側基本料金」による追加コストを転嫁できません。

そこで、稼働済みのFITに関しては現在と同水準の収益を出して行くには、「発電側基本料金」分FIT価格を引き上げるという「調整措置」が必要だになるのですが、この措置を行う事で、FITを終了するという理由の1つでもある賦課金によって国民の負担がさらに増えてしまうのでここはまだ議論中とのことです。